2008-01-01から1年間の記事一覧

「新しい派閥」

商学部2年 花房勇輝 「年功序列」、「終身雇用」、そして社内に発生した「派閥」。いずれも、戦後日本の高度経済成長を支えた、日本型企業システムを象徴する言葉だ。近年、この日本型企業システムに取って代わるものとして導入されているのが、欧米式の成果…

「希望に満ちた出発のために」

社会科学部2年 杉山健太 この世界は、必然と偶然に満ちている。必然とは、人為が影響を及ぼしえない事象のことをいう。たとえば、自然災害、生きるため必要な労働、身分制度など、経済動向もそうかもしれない。偶然もまた、人為が影響を及ぼしえない事象のこ…

「やさしさの連鎖」

教育学部1年 岡田想 私は一人で旅行に行くのが好きで、中学3年のときに沖縄に行ったのを始め、これまで日本の様々なところを訪れた。世界的に見れば狭い日本ながらも、風土や方言など各地域の違いを直に肌で感じることができて本当にいい経験ができたと思っ…

「"大人"になるということ」

文化構想学部一年 室崎雄志 私は地元で成人式実行委員をやっている。成人式におけるイベントの企画や、当日の運営などを行うのが仕事である。 そんな成人式実行委員である私だが、成人式でのイベントの一環として、中学校時代の教師からのメッセージをビデオ…

「9畳一間から考える」

政治経済学部3年 佐古田継太僕は2人1部屋の寮で暮らしている。9畳のワンルームに大の男が2人も生活しているわけだから、窮屈に感じることがある(それは僕の相棒にとっても同じことだろう)。同じ空間を共有している僕たちにとって、相互不信ほど厄介なもの…

「住処はどこか」

政治経済学部3年 佐藤有希子オニヤンマという昆虫をご存知だろうか。 オニヤンマというのはとんぼの一種で、日本に生息するとんぼの中では最大種であり、日本全土に生息する。先日、そのオニヤンマを小学生以来、久しぶりに見る機会があった。というのも、先…

「新たな夜明け〜日が昇るのは地域から〜」 vol.3「社会的企業発展戦略」

商学部2年 花房勇輝まずは、日本において今後、社会的企業を発展させるという観点に立ち、現在どのようなことが障壁として挙げられるのか、を見ていきたい。 社会的企業が(特に創業当時)苦心するのが、事業資金の確保である。社会的企業は社会貢献を第一の…

「新たな夜明け〜日が昇るのは地域から〜」 vol.2「社会的企業の有用性」

商学部2年 花房勇輝そもそも社会的企業とはなんだろうか?社会的企業という言葉は、活動がさかんなヨーロッパにおいてもその定義はあいまいである。特に近年注目されてきたばかりの日本において、それは顕著である。よって、まずは社会的企業というものの定…

「新たな夜明け〜日が昇るのは地域から〜」 vol.1「地域・コミュニティの危機」

商学部2年 花房勇輝地域が、コミュニティが危機に瀕している。 みなさんはこうお考えになることがないだろうか?昔に比べて、近所の方々との交流がめっきりと減った。 昔は地域全体で子供を育てていたようなものだったのに、今では地域で増える犯罪や少年の…

政策提言――「陽のあたる場所」

教育学部2年 岩本慧本弾では、税制の望ましい形態、そして個人の生活を保障するセーフティネットを構築するための基盤を整備するための政策について述べていく。まず、前弾で述べた所得税などの税制による個人の生活を保障するための最終的政策を挙げ、次に…

現状分析――「陽のあたる方へ」

教育学部2年 岩本慧本章では、我が国における急速な高齢化の進展の現状と、個々人の基本的な生活を保障する公的なセーフティネットの機能不全について分析を進めていく。平成20年度版高齢社会白書によれば、我が国の総人口は、現在、1億2777万人で、前年に比…

「"泥のように"働けますか?」

商学部2年 花房勇輝「泥のように働いてください」 この言葉を投げかけられたら、あなたはどのように感じるだろうか? 言葉通り、"泥のように"働けるだろうか?先日、このような話を聞いた。 とあるIT業界の就活イベントで司会者が、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会…

「Rate:0.0005% Currency Transaction Development Levyの有効性」

政治経済学部3年 田邊清敬1.序 FXは周知の通り、外国為替の変動によりさやを抜いたり、各通貨の金利差から生じる、スワップ金利の配当を得たりする、金融取引である。日本においても、一昔前からFXブームが巻き起こり、私自身、資金委託されFXを開始してか…

「陽のあたる坂道」問題提起――「仄暗い場所から」

教育学部2年 岩本慧われわれの生きる日本社会はどのような状態にあるか。個々人の多様な価値観・ライフスタイルが受容されうる成熟化社会の様相を呈しているといえる。戦後の日本社会は、企業・行政・経済・教育・人々の意識や価値観まで、あらゆる面におい…

「Dead Man Working」 vol.3「〜どんな産業を育成すべきか〜」

教育学部一年 岡田想前回のコンテンツで地方産業創出の前段階として必要な企業家・人材育成について述べた。実際に地方で産業を創出する場合にどのような産業がふさわしいのかを考察していきたい。 まず考えられるのが「医療・福祉関連分野」である。人口に…

「Dead Man Working」 vol.2「〜地方での産業創出以前に〜」

教育学部一年 岡田想前回の「現代日本の貧困者」の回の最後で予告した通り、今回は地方での産業の創出・育成のために必要な過渡的政策について論じたいと思う。その前に、前回私が述べたことの要約をしておきたい。 今、日本にはワーキングプアと呼ばれる人…

「Dead Man Working」 vol.1「現代日本の貧困者」

教育学部一年 岡田想ヒト、モノ、カネの世界的移動が活発化したグローバリゼーションの影響で日本に海外から低価格の商品が大量輸入されるようになり、日本企業は世界的な競争の波にさらされている。さらに、バブル崩壊後の長期的な不況の中、政府が国際競争…

「海洋国家日本に押し寄せるグローバル化という波」

法学部2年 小倉勇磨日本の文化の大きな特徴の一つとして、他所から取り入れた文化を自国の文化に合う様に変容させ、取り入れるという事がしばしば挙げられる。 古代から日本は、外国から新しい知識、文化を積極的に取り入れて来た。大陸から渡って来た仏教は…

「他者への想像力」

法学部2年 津田遼誰かのために何かをするとき、誰かを守るとき、最も大切なことはなんだろうか?何を、いつ、どこで、どのように、といった手段が、その成功の是非を大いに左右するが、それらの根本にあるもの、それは言うまでもなく「他者への想像力」だ。…

「A Vague Reality」

法学部2年 加藤洋平私は中学校卒業後から4年間カリフォルニアで生活していた経験があり、母親と妹もまだ向こうに住んでいるため、しばしば帰米する機会に恵まれる。つい数週間前も家の引っ越しを手伝うために帰っていた。本コラムはその期間中に私に起こっ…

「早稲田よ、どこへ行く」

政治経済学部2年 太田龍之介5月8日の昼過ぎ、私は早稲田大学の正門付近にいた。 その日の正門周辺では、チベット国旗が立ち並ぶ異様な光景が広がっていた。 それを見て「何かが起こる」と確信した私は、「何か」が起こるまで待つこととした。 結論から言う…

「野良犬の気持ち」

政治経済学部2年 仲條賢太「どの作家が好きか?」という質問と、「どの作家を読んだことがあるか?」という二つの問いをかけられたとしたら、どちらの質問にも私は「遠藤周作です。」と答えるだろう。作家や文学者の中で、彼以外特別好きだと思う人がいない…

「For Whom the Bell Tolls」

政治経済学部2年 佐古田継太「フセイン元大統領処刑から1年、イラクで消えぬ宗派対立」 「シーア派を標的にしたスンニ派武装勢力のテロ」 「イランによるイスラームシーア派組織の支援」 これらの見出しや記事を見て何をイメージするだろうか? そう、イラク…

「動物もストレスを感じる、しかし...」

商学部1年 花房勇輝ストレス。それはなにも私たち人間に特有のものではない。低い知能を持ち、比較的単純な感情しか持たない(と一般には考えられているであろう)動物にも、ストレスは存在する。それも、ごくわずかなものではなく、動物を死に至らしめるよ…

「一期一会」

商学部4年 柳毅一郎 イマームホメイニ空港に着くとそこは別世界であった。まず目に付くのは頭にスカーフをかぶり、首まで覆っている女性だ。当然のことながらペルシャ語が飛び交っている。 厳格なイスラーム教国であるイランでは、日常生活の中にもその教え…

合同コンテンツ「明日」

教育学部一年 岩本慧前回での発信で経済的希少性が低いために生活に生じるリスクが大きくなり、生活を圧迫される高齢者の人々の経済社会におけるセーフティネットの機能不全の原因を見てきた。今回の発信では彼らの所得保障のみならず、現役世代の所得保障も…

「日本の揺らぐ食卓を護るために」③

法学部1年 加藤洋平これまで発信してきたコンテンツでは、日本の脆弱な食料安保という問題の提起、その解決によって私が目指す理想社会、そしてその問題の構造の分析を行ってきた。今回は本コンテンツ最終章ということで、現状で打たれている政策を分析し、…

合同コンテンツ「おわりに」

以上のように政策集団「護り手」は変革論を主張してきた。社会が、真摯に生の保障機能を担うように。生の保障という「安心」がある社会こそが人々が活発に活動できる社会ではないだろうか。「自己責任」「個人の自律」という言葉も大いに結構ではないか。た…

合同コンテンツ「トゥモロー」

政治経済学部1年 太田龍之介先の二回で、働けない人の生の保障を担うための社会保障が脅かされており、それが今後高齢社会の進展により、一層基盤が危うくなるであろうこと、そして、働く人も物質的豊かさより精神的豊かさに重きを置くようになっている昨今…

合同コンテンツ「明日」

教育学部一年 岩本慧前回での発信で経済的希少性が低いために生活に生じるリスクが大きくなり、生活を圧迫される高齢者の人々の経済社会におけるセーフティネットの機能不全の原因を見てきた。今回の発信では彼らの所得保障のみならず、現役世代の所得保障も…