平成最後の4月下旬に私が考えていたこと   志田 陽一朗(政治経済学部2年)

苦痛すぎて記憶が曖昧になるほどの暗い浪人のトンネルを抜け、早稲田で遊び惚けて尻を蹴飛ばされるように2年生になってやっと、私は「アカデミズム」への第一歩を踏み出したようだ。 などとかっこつけているが、要するに「自分が大学で勉強していることの面…

新元号  國谷 涼太(社会科学部2年)

4月1日午前11時30分、大学では様々なサークルが新入生を迎える中、私は首相官邸のYouTube生放送を見ていた。新元号発表という歴史的な瞬間を目撃するために。2016年8月8日に「象徴についてのお務めについての天皇陛下のおことば」が表明されて以来、様々…

単純な規制の力強い効果 ―論文 “The dog and the Frisbee”の紹介と概説― 赤澤 航真(政治経済学部1年)

「犬とフリスビー」なる論文をご存じだろうか。安っぽい名前だと思われたかもしれないが、これはイングランド銀行の専門家が発表し耳目を集めた、れっきとした金融規制に関する報告である。論旨はいたって明快で、不確実な事象に対しては複雑な規則より単純…

〈新入生諸氏へ〉或る会員の独白   政治経済学部1年 (匿名希望)

会員はコラムを書かねばならない。だが、残念なことに、筆者の頭のなかをいくら探しても、語るべき何かが出てくる気配はない。困った。3月16日、丁度午前零時。おそらく、筆者だけではないと思うのだが、眠くなってくると〈自分〉の境界が溶けてきて何が何だ…

社会保険の理念とその政策含意  赤澤 航真(政治経済学部1年)

現在の社会保険制度は複雑で不透明で不公平で損得が生じており、本来の社会保険からはほど遠い。そしてそのことが「中福祉低負担」(例えば中島, 2014)などと呼ばれる、社会保険の大原則たる「給付にみあった負担」がなされないという状態を生んでいる。な…

義理と人情とチョコレート   志田 陽一朗(政経1年)

「義理」という言葉を初めて知ったのは、「義理チョコ」という言葉を聞いたときであったと記憶している。当時、東京都の北区王子に住んでいた記憶があるから、おそらく小学校の2年生か3年生だったのだろう。 当時の私には、「義理チョコ」は「ギリチョコ」と…

無題  滝口(仮名)(政経1年)

皆さんは、宇宙の大規模構造をご存知だろうか。 宇宙においては、無数の星が身を寄せ合って一つの銀河を構成し、またその銀河が集住して銀河群・銀河団を構成し、更にそれらが集まって超銀河団を構成している。その超銀河団が無数に存在しているのが我々人間…

トトロを求めて 小口 翼(人科1年)

どうも朝から早稲田が煩いなと思ったら受験シーズンだったことを思い出した。今年も平均倍率が10倍強という恐ろしい数字の前に、「昨年引っ掛かって良かった」としみじみ思うのである。受験生諸君には精々頑張ってもらいたい。受かったら好きなもの食わせて…

ゴジラが来たら  志田 陽一朗(政経1年)

「シン・ゴジラ」のヒットからはや3年が経とうとしています。庵野監督はいつになったらエヴァの続編を作ってくれるのでしょうか。「Q」の時には、まさか第2回東京オリンピックの実現に先を越されそうになるとは予想すらできなかったのですが…。 閑話休題。「…

雄弁会コラムサイトリニューアルのお知らせ

ご無沙汰しております。 長らく会員の渾身のコラムをまとめてきたこのサイトですが、この度の「はてなダイアリー」の「はてなブログ」への移行に伴い、サイトのデザインやタイトルを大幅に刷新いたしました。 心気一転、精力的にコラムを投稿して参りますの…

"沖縄という土地で" 教育学部1年 中路将伍

私は今まで沖縄という土地を行ったことがありませんでした。それこそメディア通じてしか沖縄を知らなかったのです。私は今回の機会を活かし、生の現実を見たいと思い遊説に参加しました。 今回の遊説の主題は基地問題であります。私の住んでいる地域には基地…

"戦いを終えて" 政治経済学部1年 村主太

1か月ほど前、私は東京都議会議員選挙の候補者を微力ながらお手伝いしてきた。前日の夜に「明日6時半に駅頭に」と言われ、遅れてはいけないと思い目覚ましを3個セット。朝、5時けたたましい音で目が覚める。眠い目を擦りながら隣の区の駅に到着。大声で…

"D&S" 社会科学部4年 王威

初めてテレビで見た弁論大会は私たちの学生弁論大会ではなく、外国人弁論大会でした。観客席がほぼ全部埋められて、審査員は7人もいて、地上波での放送も許された。学生弁論大会にはありえない人気ぶりでした、実にうらやまし。 二時間のテレビ番組で、19人…

"都忘れ" 政治経済学部2年 早川和紀

葉桜の季節が終わった。揺れる川面を眺めていると、薫風が頬を撫でた——気がした。考えてみれば最近、雲の行く末を見ることもなくなってしまった。風の薫りを感じることもなくなってしまった。日々の忙しさの中で、何も見えなくなることがある。何かを置き忘…

"私の思想史〜大学時代〜" 社会科学部2年 鮫島玄樹

私は、中国史好きが昂じてか、中国哲学の本をよく読んだ。初めは論語などの儒家による本を読んでいたが次第に手を広げ、法家や老荘家の本も読んだ。特に荘子には一時期ハマったものである。その後墨子を好むようになり、彼の儒家批判を理解するためにもう一…

"Bump It " 政治経済学部3年 宇佐美皓子

土埃が舞う中、車は走り続けた。 空港から2時間、いつ人を轢き殺してもおかしくないスピードにも慣れた頃、そこにはまさに私が待ち望んでいた光景が広がっていた。 雑多に立ち並ぶ屋台。わらやレンガ造りの家々。ヒジャブをまとった女性たち。木陰でぼーっと…

「嫉妬」 商学部一年 堀川友良

総会の時期には東京大学、京都大学の入試合格発表があるだろう。そして、東北大学や一橋大学などの国公立大学の結果も出ているだろう。私の母校埼玉県立浦和高校は浪人が多いことで有名である。それゆえ高校時代の多くの同級生が今年も受験に臨むだろう。冒…

「それでも生きるために」 法学部三年 野村宇宙

生の意味について考えたことがあるだろうか。 我々はどこから来て、何者で、どこへ行くのだろうかと。きっと、誰しも一度は苦しめられた問いだろう。 自分は何のために生きているのだろうか。人間の生には一体何の意味があるのだろうか。この問いに対してそ…

「不合理だらけの世の中で」 文学部二年 杉田純

2020年の東京オリンピックに向け、屋内喫煙が全面禁止されそうな見込みだ。居酒屋でさえもその例外ではなく、喫煙可能なスペースに比例して喫煙者の人権は次々に縮小させられている。 もっとも、煙草は緩やかな殺人兵器であると言われてしまえばその通りなの…

「恋愛ついての一考察」 教育学部三年 山中雅人

さて、今回のコラムは私の中の恋愛についての考察である。とは言ってもかつて私に彼女は居たことはない。前回のコラムでも書いた通り、戦っては負ける圧倒的恋愛弱者である! 恋愛工学において、対象は往々にして既に恋愛を実現している人々である。考えてみれ…

「他人に誠実であるということ」 政治経済学部一年 原康熙

“D'où Venons Nous Que Sommes Nous Où Allons Nous” これは、かの有名なポスト印象派の巨匠、ポール=ゴーギャンの有名なある絵画の題名である。日本語では「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」と訳される。彼はタヒチで自殺を決…

「劣等」 商学部一年 堀川友良

雄弁会で活動することとなって半年以上になる。光陰矢の如しとはよく言ったもので、ここまでの雄弁会生活はまさにあっという間であった。あと数か月で一年を迎えると思うと感慨深いものがある。 振り返れば楽しい合宿や研究の面白さ、そして充実した弁論作成…

「墓標」 政治経済学部一年 早川和紀

年の瀬も押し迫る中、イルミネーションが煌々と街角を照らし、派手な広告がまばゆいばかりの輝きと共に目に飛び込んでくるようになった。美しい(・・・)光景だ。人々はそれらにいざなわれるかのように、財布を握りしめてバーゲンの中に消えてゆく。中に入…

「いかだを降ろすということ」 教育学部三年 山中雅人

私がこのコラムを書こうと思った訳は、雄弁会という組織において宗教が全く馴染まないという感触を感じたことにある。雄弁会の人間は議論が好きである。いや、偏愛しているかもしれない。議論しない人間は雄弁会員にあらずとも思っているかもしれないほどだ…

「ヒカリアレ」 政治経済学部二年 南井暉史

天皇陛下の生前退位(これはメディアの造語であって正しくは譲位である)がここ最近話題になっている。これに関連して今後の皇室の在り方や天皇陛下の公務の在り方に関する議論も活発になり、今年は天皇という存在そのものに注目が集まった年ともいえる。 そも…

「矛盾」 社会科学部三年 王威

私は「矛盾」という言葉が大好きだが、同時に大嫌いでもある。 その語源は『韓非子』の、「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた商人が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかったという故事から来たも…

「自炊のすゝめ」 社会科学部二年 宇治舞夏

私たちが明るく希望を持って生きていくためには、自己肯定感を得ることが必要である。自己肯定感を得るためのプロセスとしては、他者から承認され自己を承認することで、自己肯定感を得る、というものがほとんどだろう。しかし私は、この一つ目のプロセスに…

「である。」 法学部一年 明神青葉

「である」べきことを「する」ために「せき・こえ・のどに浅田飴」でお馴染みの永六輔氏が先日、逝去された。作詞家・放送作家など幅広く活動した六輔氏が、ラジオを通して訴え続けたことがある。「米穀配給通帳」廃止と、「鯨尺」使用の許可だ。 米穀配給通…

「我と汝」 法学部二年 野村宇宙

去る2016年7月10日、第24回参議院議員選挙が行われた。今回の選挙では、18歳選挙権が認められて以来初の選挙となることや、与党を始めとする改憲勢力対連合野党という対立図式になったこともあり、国民の関心を大きく引く選挙となった。しかし、今回の選挙に…

「君子は義に喩(さと)り」 社会科学部一年 鮫島玄樹

愛国心であるとか民族意識といったものを、現代の日本人はどれほど持っているのだろう。少なくとも私自身は、両方ともかなり強く持っている気だ。日本という国は大好きであるし、日本人、もしくは大和民族であることを強く意識し、また誇りに思っている。し…