2016-01-01から1年間の記事一覧

「劣等」 商学部一年 堀川友良

雄弁会で活動することとなって半年以上になる。光陰矢の如しとはよく言ったもので、ここまでの雄弁会生活はまさにあっという間であった。あと数か月で一年を迎えると思うと感慨深いものがある。 振り返れば楽しい合宿や研究の面白さ、そして充実した弁論作成…

「墓標」 政治経済学部一年 早川和紀

年の瀬も押し迫る中、イルミネーションが煌々と街角を照らし、派手な広告がまばゆいばかりの輝きと共に目に飛び込んでくるようになった。美しい(・・・)光景だ。人々はそれらにいざなわれるかのように、財布を握りしめてバーゲンの中に消えてゆく。中に入…

「ヒカリアレ」 政治経済学部二年 南井暉史

天皇陛下の生前退位(これはメディアの造語であって正しくは譲位である)がここ最近話題になっている。これに関連して今後の皇室の在り方や天皇陛下の公務の在り方に関する議論も活発になり、今年は天皇という存在そのものに注目が集まった年ともいえる。 そも…

「矛盾」 社会科学部三年 王威

私は「矛盾」という言葉が大好きだが、同時に大嫌いでもある。 その語源は『韓非子』の、「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた商人が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかったという故事から来たも…

「自炊のすゝめ」 社会科学部二年 宇治舞夏

私たちが明るく希望を持って生きていくためには、自己肯定感を得ることが必要である。自己肯定感を得るためのプロセスとしては、他者から承認され自己を承認することで、自己肯定感を得る、というものがほとんどだろう。しかし私は、この一つ目のプロセスに…

「である。」 法学部一年 明神青葉

「である」べきことを「する」ために「せき・こえ・のどに浅田飴」でお馴染みの永六輔氏が先日、逝去された。作詞家・放送作家など幅広く活動した六輔氏が、ラジオを通して訴え続けたことがある。「米穀配給通帳」廃止と、「鯨尺」使用の許可だ。 米穀配給通…

「我と汝」 法学部二年 野村宇宙

去る2016年7月10日、第24回参議院議員選挙が行われた。今回の選挙では、18歳選挙権が認められて以来初の選挙となることや、与党を始めとする改憲勢力対連合野党という対立図式になったこともあり、国民の関心を大きく引く選挙となった。しかし、今回の選挙に…

「曙光」 文学部二年 杉田純

つい先日、元プロ野球選手の清原和博氏が覚せい剤の所持・使用で有罪判決を受けたというニュースが流れた。私自身、プロ野球が好きなことや元巨人ファンであることもあって、世間同様私も清原氏に関連するニュースには注目してきた。当然、彼に対する世間の…

「暫定解」 法学部二年 野村宇宙

「自由意志は存在するのか」。 この問いに直感的な返答をするならば、「存在する」と私は即座に答える。しかし、次の瞬間、私は立ち止まってふと考える。果たして、本当に自由意志は存在するのだろうかと。仮に存在すると言えるならば、それは何故そう言い切…

「偏見」商学部三年 清水寛之

先月、私は中国を旅行した。生まれ育ちは日本、海外に行ったのは今回を含め6,7回程度である。大学生になってからの海外旅行は初めてということもあり、多少なりとも見識を拡げられればと思った。旅行先の中国という国は、3千年以上の歴史を有する中華文明と…

「Be a creative challenger」 教育学部三年 山口宇彦

先日アメリカから宇宙産業に関するビッグニュースが飛んできた。実業家イーロン・マスク率いる民間宇宙開発企業スペースX社が、一度発射させたロケットを洋上に着陸させることに成功したのである。4回の失敗の末の成功で、これにより宇宙開発はさらに低コス…

「感謝」文化構想学部三年 酒井颯太

卒業、そして入学、入社。 別れと出会いが入り混じる季節となった。春というのは一年で最も特別な季節となりやすい。ある人は別れを惜しみ、ある人は新たな出会いに心を躍らす。そんな季節だ。 別れを前にするとき、人は今の状態がずっと続けばいいのにと思…

"Seek A Light" 政治経済学部一年 宇佐美皓子

大学に入学し、気づけばもう2月である。なんとも言えない時の早さに、焦りを抱く。 去年まで高校生だった私が、この一年の大学生活を経ていったい何を得たのだろうか。初めて出場した弁論大会では、国際問題を聴衆に共感させることの難しさを知り、 雄弁会の…

「まだ見ぬ後輩たちへ」 社会科学部一年 宇治舞夏

二月中旬、大学の近くを通ると「早稲田入学試験場」の看板が掲げられていた。一年前にもその前の年にもこの看板を見ながら早稲田に憧れる受験生だったことを思い出した。あの頃は自分がこの雄弁会に入るなんて思ってもいなかったし、さらに言うと雄弁会の存…

"Don’t feel, think" 教育学部二年 山口宇彦

1970年、大阪で開催された万国博覧会のテーマは「人類の進歩と調和」であった。高度経済成長の中で日本人が抱いた、科学技術の発達が人類のすべての課題を解決し、平和で繁栄した社会を作ることができるという、前向きで希望に満ちた未来予測がこのテーマに…

"Amor fati" 商学部二年 清水寛之

「人間の偉大さを言いあらわすためのわたしの慣用の言葉は運命愛である。何ごとも、それがいまあるあり方とは違ったあり方であれと思わぬこと、未来に対しても、過去に対しても、永遠全体にわたってけっして。必然的なことを耐え忍ぶだけではない、それを隠…