2014-01-01から1年間の記事一覧

「素敵な贈り物」法学部一年 保浦誠也

私は雄弁会に入会してから約9か月間、本を読み、文章を書き、話すといった行為を繰り返してきた。読書、執筆、議論。このような知的営みに共通するものとは何か。 まさしくそれは「思考」ではないだろうか。私はこのコラムにおいて、「思考」について検討し…

「何を見るかではない。何を知ろうとするかだ。」教育学部一年 山本耀介

私はしばしば目的地を定めず歩くことがある。休日や受業と授業の合間に、自分の周囲を散策しているのである。公園や路地を歩き、ただただ周囲を観察してまわる。特に意味があってやっているわけではなく、ただの習慣である。 そんなことをしていると、色々な…

「心」文化構想学部一年 酒井颯太

池袋でバイトをしていた頃、同僚にお笑い芸人をやっている人がいた。 まだ芸歴三年で、ショーレースに勝つために日夜、何もしない相方をよそに一人でネタ作りに勤しんでいるらしい。 ある日、バイト終わりに一緒に帰ったとき、彼が面白い話をしてくれた。 「…

「『生きる』ということ」 人間科学部二年 驥本憲広

人生で一番最初に絶望したのはいつの時だっただろうか。 人は壁に打ち当たる度に、その壁を乗り越えたり道を迂回することで進んで行く。しかし、誰一人として解決できなかった問題がある。「死」である。いままで何千、何万とある人類の歴史の中で何十億、何…

「早稲田浪漫譚――神田川と人生劇場――」 法学部三年 高野馨太

「早稲田に学んで波風受けて、行くぞ、男のこの花道を。人生劇場、いざ序幕」この言葉は、早稲田大学第二校歌とも称される「人生劇場」に歌い継がれてきました。ああ、何度この言葉を復誦したことか。この一節は、おもえらく矜持と決意の表明なのでしょう。…

「「正しさ」を掴み取れ!!」 政治経済学部三年 井守健太朗

2014年は各地で自然災害が発生した。広島県の豪雨による土砂災害被害、御嶽山の噴火と、どの自然災害も痛ましく被害は甚大なものとなった。自然災害は何も今年のみ発生しているものでは決してない。「10年に1度の大雨または暴風」―特別警報が新たに設置され…

「わたしがあなたを呼ぶのなら」 法学部二年 吉原優

人間は所有を示したがる生き物で、自分のお気に入りにはなぜか名前を付けたがる。あるいは、人類は新たななにかに名前を付けることで、一種の世界掌握への優越感に浸っている節もある。と、私は思う。 「名前」とは、なんであろうか。そんなことを思わせる、…

「フード」教育学部一年 山口宇彦

東京では幸か不幸か、世界中の味を堪能できる。早稲田大学の周辺にも、中華料理、インド料理をはじめ、イタリアン、フレンチ、タイ料理、沖縄料理と様々なジャンルの料理が集まっている。私もつい最近北海道銘菓の一つ、丸成バターサンド(知らない人はぜひ…

「議論って?」政治経済学部一年 緒方東吾

そういえばこの間靖国神社で「みたままつり」があった。毎年およそ三十万人もの人が参加する、東京の夏の風物詩である。様々な催しが行われ、多くの出店が軒を連ねる。境内へと続く道はたくさんの人でごった返す。中学生と思しき集団や、家族連れ、もちろん…

「自律への一歩」政治経済学部一年高橋美有

近年、国民が政治に無関心であることが問題視されている。テレビや新聞は、日々様々なトピックで溢れかえっている。忙しい日々の中で、私たちは自らに関係のあるトピックについて考慮するだけで精一杯である。また、例え政治的意見を持ったところで、その先…

「共に生きるということ」 商学部1年 清水寛之

このコラムをお読みいただいている読者の皆さんは、今までの人生において一度でもペットを飼育したことがあるであろうか。 おそらく多くの人にとって、その答えはYESであろう。 私自身はといえば、幼稚園に通っていた頃、実家で飼われていた1匹の犬の散歩に…

「Die Macht der Kunst」 文学部二年 大久保宅郎

我国には、能弁家や達弁家は多いが真の雄弁家は殆ど見あたらない。我々は事実の説明家や思想の叙述者を以て満足してはならない。宜しく輿論を喚起し、一世も動かすような雄弁家を作らねばない。早稲田大学雄弁会は、小野梓のこの言葉とともに発足した。 以降…

「多極化の世界で」 政治経済学部二年 眞嶋明生

最近の国際情勢に不安を感じる人々は多いのではないだろうか。確かに様々な問題が山積している。東アジアという地域で語るならば強い拡大志向を抱き、国際法を軽視する中国に対する不信感、韓国との歴史問題の肥大化やその摩擦、新指導者のもと権力闘争が行…

「悼み」 法学部二年 吉原優

去年の9月、私は“2人の家族”を喪った。 最初は、祖父だった。 長年、彼は癌を患っていた。 「もう長くないだろう」 そう、祖父と暮らす叔母から連絡が来たのは、夏の始まりの話だ。実家があまり好きではない母が、その時ようやく重い腰を上げ、実家に頻繁に…

「……そして少年は大人になる」政治経済学部二年 伊藤直哉

雄弁会の門をたたいてから早くも2年もの歳月が経過しようとしている。これから雄弁会に入会しようとする新入生にあっては、不肖ながら私のコラムが一助となれば幸いである。 ここでは私の入会の経緯について記述したいと思う。 2年前の4月、友人の紹介により…

「超克、その向こう側へ」政治経済学部二年 井守健太朗

早稲田は春を迎えた。早稲田キャンパスの南門前の桜は毎年、こぢんまりと咲く。しかし、普段私が見慣れた大隈講堂を背景にした早稲田の風景に桜は花色を添え、豪勢な春色を醸し出す。実に心躍る季節である。新歓期も始まった。私のある同期は新歓期を「祭」…

「甘い罠」教育学部一年 二ノ宮裕大

「奨学金を借りることができなければ、大学に通うことなんてできなかった。」「奨学金はまさに希望だった。」 このように考える人々は決して少ないわけではないだろう。不肖ながら私自身も奨学金を借りて現在大学に通わせて頂いている。しかし、このまさに「…

「読むということ」文学部一年 大久保宅郎

あなたは日頃から本を読んでいるだろうか?「はい」と答えられたあなた。では、あなたにとって読書とはいったいなんだろうか? 「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。」 ショーペン…

「酒場の効用――新宿ゴールデン街に遊んでみて――」法学部二年 高野馨太

私はよく新宿ゴールデン街(以下、ゴールデン街)に繰り出しています。ここは「おとな」な街なのでしょう。私は某「おとな」な方に連れて行ってもらってからは、「ふらり」と一人で、あるいは友人と連れ立って、私たちは若僧なものですから、隅っこの方でちび…

「生きづらい日が来る前に」政治経済学部二年 小林圭

2013年の10大ニュースを並べてみれば、オリンピック招致、アベノミクスによる経済成長、富士山の世界遺産への登録、アルジェリアでの日揮社員の人質事件、TPPへの参加表明、参議院でのねじれ解消、民法900条の違憲判決、消費税の8%への増税決定、徳洲会の…