「アルバイトで思ったこと」 社会科学部1年 坂木良太


 私は機械に関して全くの素人ですが現在アルバイトで、とある大型家電量販店でとあるメーカーのビデオカメラを販売しています。アルバイト前の研修があったのですがそこで学んで私にとって画期的に思えたことはお客様へのトークの方法。このトークの方法にはポイントがあります。それは専門用語を使わず、「こちらの方が当然ベター」と納得してもらうことです。例えば「お子様の顔はアップで撮りたいですよね。こちらの商品はズームが12倍。もう一方は15倍です。アップで撮りたいならどちらがよろしいでしょうか?」といった具合に簡単な言葉でいくつも条件を提示してお客様自身が妥協せずに心から納得してもらえるようにトークを進めます。しかし、いざ売り場に立って研修の成果を実践しようとしましたらなかなか思うようにいきませんでした。私はビデオカメラの性能の違いを把握しているのでいかに私が売るビデオカメラは優秀かがわかっていますがお客様はなにも知りません。けれどもつい自分視点でトークしてしまい思うように伝わりませんでした。
このアルバイトを通して改めて感じたことは伝えることの難しさです。つまり、自分が思っていることを相手に伝えて情報共有することの難しさです。いかに自分が伝えようとしていることが素晴らしいことであっても使う言葉が難しく、自分の感覚で話をしてしまうと伝わりません。これは私にとって弁論をしていくうえでのヒントになりました。社会を変えるには多くの人たちの力が必要です。やはりどうしても政治や経済などの社会問題を扱いますと難しい言葉があります。けれども、難しい言葉よりも簡単な言葉の方が伝わりやすく、1人でも多くの人たちを説得することができるでしょう。どうやったら難しい言葉を使わずに自分の主張ができるかという意識を持つことが改めて必要であると感じました。また、一方的に話を進めるのではなく、相手に「当然こうしたほうがいいよね」と相槌を打ってもらえるように対話を心がけることも必要ではないかと感じました。強い協力を得るには確固たる確信が必要です。相手を妥協させるのではなく、心から納得してもらうには対話を含んだ弁論が大切ではないかと思いました。これら2つを実践することで広く深い協力関係が得られるのではないかと思います。
自分が思っていることを相手に伝えることは簡単なようでとても難しいです。販売と弁論は異なりますが説得という点においては共通だと思いますのでこれからいいと思ったことを相互に活用していけたらと思います。