「いろいろ<色々>」政治経済学部一年 宇佐美皓子

この文章見てどう感じるだろう

これが私の見えている世界である。
世の中には、このように文字に色を感じる共感覚を持つ人々が存在する。
共感覚とは、文字や数字や音に、色や形を感じる現象である。

中学校3年生の時にテレビで共感覚特集を見るまでは、他の人も同じように文字に色を感じ、数字に性格がついていると思っていた。
自分がこれまで当たり前であると感じていた感覚が、「共感覚」という特殊な現象として名前付けられたのである。
その時から私は、自分の持つ共感覚は他人には理解し得ない、特殊で異常な感覚であると常に感じるようになった。

しかし今でもふと思う。自分が共感覚者であることを今も知らなかったら、私は自分の感覚が特殊であると感じていただろうか。
他人から、私の所有する感覚に対して、人とは違った普通ではない異常な「共感覚」という評価を下されることにより、本来何も変わっていないはずの私の意識さえ変わってしまったのではないか。
他者の評価というものは、時に良くも悪くも、人の認識をがらりと変えてしまうことがある。
私たちは、自分たちの評価が時に暴力装置となりうることに注意しなくてはならないのではないだろうか。