「それぞれの幸福」

教育学部1年 岩本慧


前回提示した政策の実施により、コミュニティ・ビジネスが拡大し、弱体化したコミュニティを再生することが可能になるでしょう。そして、生活に生じるリスクが個人化し、ライフスタイルも多様な現代社会において、孤立せざるを得なくなった高齢者の方々が、各々のニーズにそくした援助を受けることができ、重層的な援助の下に生涯にわたって安心した暮らしをおくり、幸福を享受できるとものだと確信します。


今回私は高齢者の社会的孤立状態を問題視し、コンテンツを進めてまいりました。

高齢者の社会的孤立状態を生んだ原因として、近代以後、個々人が絶対的な価値体系(ex宗教・伝統)から解放され、個々の欲求に合理的に行動できるようになり、社会システム(物質的な再生機能=産業・行政・教育…)も、限りなく合理化され、このシステムの合理化には巨大な富と可能性を我々に与えたものの、すなわち、財・サービス生産が合理化されて私達は経済的な利益を得て、それを使う多くの選択肢(ex消費活動)を得ることができたものの、近代と言う巨大な時代の歯車が、伝統的な家族や、地域といった相互互助システムを飲み込んでいった過程(『イエ』は核家族に、『ムラ』は『カイシャ』に)を述べ、個々人を取り巻く同心円状の共同体が崩壊して個人を取り巻く関係性が変化したと述べてきました。そして、コミュニティ・ビジネスによって地域コミュニティの新たなあり方について検証し、コミュニティ・ビジネス拡大のために中間支援機関の拡充・連結や、認定NPO法人枠を広げるためのNPOオンブズマン制度について政策提言してまいりました。

またコンテンツを進めていく中で、質問を頂き、そしてそれは私の問題の重要性を再検証し、問題を明確化するものでありました。

全4回にわたった当コラム。今回で終了させていただきます。大変至らぬ内容であり、拙い文章でありましたが、もし皆さんに何かしら感じるものがあったのであるならば、それだけでも身に余る光栄であります。またもしよろしければ、ご質問やご指摘を賜りたく存じます。

誰しもが幸福を、一生にわたって求められる社会が実現せんことを切に祈って。

最後になって誠に恐縮ですが、読んでくださった方々、質問をしていただいた方々に心から御礼申し上げまして、本コンテンツの締めとさせていただきます。